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観光について思うこと

これから書くことは、今まで観光セミナーに参加しするなどしてきて、自分なりに考えたことです。いつもは、写真とともにお届けしているナバリズムですが、今日はちょっと長い読み物です。私が観光に興味をもったきっかけのひとつは、観光カリスマの山田桂一郎さんや、日本総合研究所の藻谷浩介さんの講演を聞いてからです。端的に書くと「人口減少し、内需が縮小するなかで、観光産業に伸びしろがある」人口減少について、私なりにわかりやすく書くと、私は今45歳です。昭和49年生まれ。第二次ベビーブーム世代で、日本全国に200万人ぐらいいます。それから、今年成人を迎えた人。成人式のときにニュースで流れますが、全国に約125万人。昨年2018年に生まれた人が約95万人。これを見ると、40年スパンで考えると、世代別にみたときに半分に減っていきます。政府の政策を批判する人もいますが、これだけ絶対数が減っている中で、誰が総理大臣になろうが人口減少は、受け入れるしかない未来図なんです。私は、人口減少については、まずは社会の前提として受け入れないといけないと思います。かんばれば人口が増えるなんてあり得ないことなんです。藻谷浩介さんや山田桂一郎さんは観光振興に可能性を見出しています。例えばスイスの話。スイスは国土が狭く、日本の九州ぐらいの大きさです。資源もあまりない。そんな小さな国にも関わらず、日本との貿易でも黒字を出しています。例えば、時計。スイス製の時計といえば、ブランド品です。品質が良く、高くても欲しくなります。他にもチーズやワインなど、いずれもブランドとして価値の高いものを生み出し、それらを輸出して、外貨を稼いでいます。そこには、スイスに住んでいる人達の不断の努力があるのです。資源がないなか、でも生きていくためにはと真剣に考え、スイスの暮らしだからこそ生み出せる製品を追い求めてきました。付加価値を高めて、高くても欲しくなる製品づくりをしてきたのです。資源がないから、そうするしかなかった。旅行でも、スイスの人たちは、客を選ぶといいます。自分たちが作ってきたものの、本当の価値がわかってくれる旅行客なのかどうかを彼らは見ているというのです。誰でもいいから、お客さんが来てくれたらいいというのではなく、自分たちの暮らしだからこそ生み出される製品を、わかってくれる人に売りたいと考えています。そういった彼らの努力が、価値の高いものづくり、サービスにつながり、資源がなく国土が狭い国にも関わらず生活できているのです。ニッポンも人口が減少していき、社会が縮小していくなかで、目指すべきはスイスなのかもしれません。たくさん作ってたくさん売るという大量消費大量生産の時代は、昔の話。これからは、少なくても価値が高いものを売る、そんな時代になっていくと思います。そのためには、地域固有の文化や暮らしを大切にしないといけない。ここだから作れるもの、ここだから手に入るものだったら、高くても買ってくれます。そういうお客さんをターゲットにしなきゃいけない。日本でもその動きは始まっています。例えば、島根県の大森町。ここは人口約500人、最寄り駅から車で2時間かかるという僻地です。そこに群言堂という会社があります。暮らしをデザインするというコンセプトにしているアパレルメーカーです。大森町の暮らしから生まれる製品づくりを心がけていて、なんと東京や大阪から、志高い若者が、働きに来るそうです。立地が悪いからということを、理由にすることがありますが、群言堂のように、クオリティーの高いモノづくりをすると、立地に関係なく人は集まってくるし、高くても売れる製品づくりは可能なのです。それから小豆島の話。小豆島では、「小豆島カメラ」といって、7人の若い女性が日々WEBを使って、暮らしを発信する取り組みをしています。写真家、カメラメーカー、写真雑誌がコラボして行われていて、フラットな目線で小豆島の暮らしを発信し続けています。小豆島カメラのおもしろいところは、日々の普通の暮らしを発信しているところ。観光名所を紹介している訳ではなく、普通の暮らし、普通の人たちがキラリとしていて、豊かさを感じることができる、それがいいのです。こうした事例が東京や大阪ではなく、地方で起こっているということに注目しないといけません。なんとかしないと危機感を背にすれば、「自分のまちには何もない」とあきらめるのではなく、「自分たちのまちのあるものを探そう」と、前を見ることができるはず。そうすれば、必ず何か見つかると信じています。自分たちの普通の暮らしの中に豊かさを見つけることをしていきたい。