帰ってきたカメラ

6月の頭に、旅行に行ったときの話。

写真を趣味にしている私は、当然カメラを持っていきました。持っていったのは、一番愛用している一眼レフカメラ。

朝早く名張駅を出て、同行の友人と電車内で談笑しているうちに難波駅に到着。

そこで、気付きました。

ない。。カメラがない。。

持ってくるのを忘れたのか?と思いましたが、確かに家を出たときには首に掛けていた覚えがあります。よく思い出してみると、名張駅で電車を待っている間、ベンチに座っていたので、首に掛けていたカメラを外してベンチに置いた気がしてきました。

電車に乗るときに、忘れたのでは。

だとすると、もう誰かが持っていって、こっそり自分のものにしてしまっているかもしれない。

写真なんてやめてしまえという神のお告げか?

いろんな考えが頭の中をぐるぐるする中、難波駅から名張駅の電話番号を調べて電話することにしました。

そしたら・・・

落とし物として届いていました!

誰かが、駅員さんに届けてくれたようです。

メーカー名、特徴を確認しましたが、間違いありません。

久々に涙ぐんでしまいました。

ありがとうございます!

お礼を伝えたい。そう思って、駅員さんに届けてくれた人の連絡先を聞きました。

その人は、名前も連絡先も名乗らなかったそうです。

だから、直接お礼を伝えることはできません。

落とし物を駅員さんに届けたという、ごく普通のことだったかもしれません。

でも、私にとっては大事なカメラが手元に戻って来たことは、涙が出るほどうれしかったです。

名張が、そんな善意のある人がいるまちなんだなと思いました。

もし今度自分が同じような場面にあったら、同じようにします。

誰かはわかりませんが、私のカメラを駅に届けてくれた方、もし見ていたらせめてお礼だけでも言わせてください。

「ありがとうございました。」

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